この記事を要約すると
- Indiegogoに、新しい概念のクラウドストレージが登場
- ブロックチェーンではなくAIを使った分散型クラウドストレージ
- ハードウエアを購入するとネットワークに参加できる
ブロックチェーンを使った分散型クラウドストレージは前にもあった。例えばSTORJだ。このCubbitが違うのは、まずブロックチェーンではなくAIによってファイルの分散がコントロールされていること、そしてハードウエアを使用することだ。
Cubbitの概要

まず、Cubbitのネットワークに参加したい人は、このハードウエアを購入してインターネットに接続すると、その時点で、512GBから1TBのネットワーク・ストレージを使う権利を手に入れる。
データはこのCubbitの黒いボックスに保存されるのではない。暗号化され、分割されたファイルが他のどこかにある100以上の同じようなノードに送信され、保存されるのだ。
保存可能なデータ容量を増やせる
もし512GBないしは1TB以上のファイル保存スペースを利用したいなら、このCubbitの黒いボックスに手持ちのハードディスクなどを接続し、データの保存場所を提供することだ。そうすれば4TB〜20TBのさらなる保存容量が手に入る。
送信された情報のセキュリティも安心

分散して送信されるファイルのセキュリティは、AES-256暗号化と、ファイルの細分化アルゴリズムによって保証される。どこかのだれかがファイルを解析しようとしても、強力に暗号化されている上に、それはファイルのごく一部のため中身がわからないようになっている。
従来のNASに比べて、格段に速い

分散されたCubbitノードのうち近いノードが選択され、peer-to-peerで並列にデータを通信するので、単一のNASに対してファイルを格納したり引き出したりするのに比べてスピードが速いとされている。
データ送信を待つ必要がない
データをアップロードする待ち時間は不要だ。自分のCubbitノードが大きなファイルのデータをバッファして自動的にアップロードしてくれるので、アップロードが完了するまでPCを開いたままにしておく必要がない。
その他の特徴

- ウォータープルーフ – 災害時も安心
- 1つのCubbitの権利で、4ユーザーまで利用できる
- iOS、Android、PCなどのデバイスで利用できる
CubbitはIndiegogoで出資募集中

2019/12/27現在、最も低価格な512GB〜4TBのプランで¥32,710となっている。
まとめ
こういった分散ネットワーク型のストレージのアイデアは様々あったが、ハードウエアを購入してネットワークに参加する方式は新しい。また、ブロックチェーンではなく独自実装のAIを利用している点もユニークだ。
専用ハードウエアを介することで、ファイル送信のバッファとして機能したり、常時PCをネットに接続しておかなくてはならないことなどもなくなり、メリットは多いだろう。
Google Driveなどのクラウドストレージに対して、たしかにランニングコストは低いが、実際にデータ送受信のスピードや使い勝手が優れているかどうかがポイントになってきそうだ。
このあたりは、実際に利用しているユーザーのレポートを待ちたいと思う。
Cubbit: $0 a Month, Secure Cloud Storage Hub

ブロックチェーンではすでに登場していた概念だけど、ハードウエアとAIで実現するところがユニークだね。買って試してみたいけど、値段的にはちょっと勇気がいるよね。
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