「DJI Telloの価格で、DJI Sparkの性能を。」そんなフレーズで始まったMicro Drone 4.0のプロジェクトは革新的で魅力的でした。
なぜなら、2019年1月当時にMicro Drone 4.0がIndiegogoに登場した当初は、 200g以下で2軸カメラジンバルを搭載した機体など、見たこともなかったからです。

Micro Drone 4.0 – Affordably Priced Under $200 https://www.indiegogo.com/projects/micro-drone-4-0-affordably-priced-under-200/
気づいたら「GET THIS PEAK」ボタンを押していた。
2019年1月当時は、すでに国内のドローン関連の法整備が整っており、200g以上の機体は自由に飛ばすことができなくなっていました。
ドローン購入の選択肢としては、一部エリアでしか飛ばせないことを承知でDJI Sparkを購入するか、固定カメラしか装備していないホビードローン「DJI Tello」を購入するしか選択肢がなかったのです。
特に空撮を行いたいユーザーにとっては、カメラのメカニカル・ジンバルは必須の機能だ。固定カメラの映像は見るに耐えませんでした。
2019年1月にIndiegogoに登場したMicro Drone 4.0は、まさにそんなニーズのど真ん中を狙ったコンセプトでした。
- 2軸メカニカル・ジンバル搭載
- 機体重量は200g以下
- 価格は200ドル以下

数回にわたる開発スケジュールの遅延
当初のロードマップはこうでした。「3月には100ユニットを試作し、6月にはマスプロダクションを開始して、投資した人たちに配送する」。

これが計画的な遅延だったのかどうかはわかりませんが、複数回の遅延アナウンスのすえ、残念ならが2019年12月現在でもわれわれのもとにはMicro Drone 4.0は届いていません。

IndiegogoのBackersたちにとっては、この手の遅延はよくあることで、まったく目新しいことではありません。元からオンスケジュールで製品が手元に届くとは思ってもいませんでした。しかしそんな中、
DJIがMavic Miniを発表
2019年10月31日、DJIが日本向けに200g以下のドローン「Mavic Mini」を発表しました。しかも、3軸メカニカル・ジンバルと2.7kカメラを搭載して、です。
製品の信頼性においてDJIはNO.1のメーカーと言っても過言ではないでしょう。事実、発表から1ヶ月後には配送を開始し、たくさんの人の手にMavic Miniが届けらました。
Micro Drone 4.0のようなプロダクトは、こういった大手メーカーに先んじて製品を市場に投入することに存在意義がありましたが、機能的にも上をいかれたうえに、デリバリーまで後手をとってしまいました。これは致命的な出来事だったと思います。
Micro Drone 4.0の掲示板ではRefundを求める声もあがり、Backersの多くはすでにMavic Miniを手にしている人も多いはずです。2019年12月現在のアナウンスでは、Micro Drone 4.0は2020年1月の配送開始を目指しているそうです。
スペックと価格の比較
Micro Drone 4.0 | DJI Mavic Mini (日本仕様) | |
機体重量 | 170g | 199g |
サイズ | 150 x 150 x 50 mm | 245×290×55mm |
折りたたみ | 不可 | 可 |
バッテリー | 3.7V 850mAh Li-Po | 7.6V 1100 mAh Li-Po |
飛行可能時間 | 10分 | 18分 |
カメラジンバル | 2軸 | 3軸 |
GPS | なし | あり |
カメラセンサー | 有効画素数:5MP | 1/2.3インチCMOS 有効画素数:12 MP |
動画解像度 | 1080p:30fps | 2.7k:25/30 fps 1080p:25/30/50/60 fps |
伝送距離 | 213メートル | 2km |
価格 ※ | ¥18,070 ¥26,284(送信機あり) | ¥46,200 |
※ Micro Drone 4.0は現在のIndiegogo価格
Micro Drone 4.0の存在価値
すでにスペックのすべてにおいてMavic Miniに追い越されたMicro Drone 4.0の価値は、価格面とややコンパクトな機体サイズのみになりました。
Mavic Miniが一般コンシューマー向けとはいえ、やや高額であることを考えれば(それでも5万円を切っていることは驚きですが)、2万円そこそこで手に入る機体として考えれば、まだ存在価値を見いだせるかもしれません。
ただ、誰かが買おうとしていたら、残念ながらあと2万円を払ってMavic Miniを買うことをおすすめします。
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