スマホやPCの充電器を選ぶときに、説明に書いてある「◯V」「◯アンペア」「◯ワット」ってどれぐらい気にしていますか?
なんとなく「有名メーカーならいいだろう」「高いやつならいいんじゃないかな」と選んでいませんか?このコーナーでは、いろいろな充電規格を整理してみます。

USBの規格(3.x以上)
規格 | 仕様発行日 | 電圧 | アンペア |
---|---|---|---|
USB 3.0 | 2008年11月 | 5V | 900 mA (USB Type-Cは1.5Aまたは3A) |
USB 3.1 | 2013年8月 | 5V | 1000 mA (USB Type-Cは1.5Aまたは3A) |
USB 3.2 | 2017年9月25日 | 5V | 1.5Aまたは3A |
USB4 | 2019年9月3日 | 5V | 1.5Aまたは3A |
もともとUSBというのは、IBM・インテル・NEC・マイクロソフトなどの7社が「共通のデータ通信や給電の規格をつくりましょう」ということで、1996年に決めた規格なんです。
ここでは通信速度については説明しません。給電能力でいうとすべて5Vで、アンペア数は500mAから3Aと決まっていました。ワットというのは電圧×アンペアですから、例えば「10WのUSB」となると、5V/10W=2Aとなるわけです。

コネクターの規格
Type-C

USB Type-Cは、2015年に登場しました。上下どちらに挿しても使える形状なのが特徴で、 8.4mm×約 2.6mmの長円形をしています、MacBookやAndroidスマホなどに採用されています。
micro USB Type-B

micro USB にはType-A・Type-B・Type-ABの 3種類がある。よくスマホに使われているのは、このうちのType-Bと呼ばれる形状です。こちらは上下が決まっています。
Lightning(ライトニング)

Appleの独自規格で、iPhoneユーザーにはおなじみ。USB Type-C同様に上下どちらでも挿せる仕様になっています。
急速充電系の規格
規格名 | Ver | 電圧 | 最大ワッテージ | 会社 |
---|---|---|---|---|
USB PD(Power Delivery) | 20V | 100W | USB-IF | |
USB QC(Quick Charge) | 1.0 | 5V | 18W | クアルコム |
USB QC(Quick Charge) | 2.0 | 5V/9V/12V | 18W | クアルコム |
USB QC(Quick Charge) | 3.0 | 3.6V-20V | 18W | クアルコム |
USB QC(Quick Charge) | 4.0 | 3V-20V | 18-27W | クアルコム |
USB QCは主にAndroid端末などに採用されています。USB QCに対応した機器のリストは、クアルコム社のウェブサイトに掲載されています。
USB PDは主にノートPCなどに採用されている規格で、スマートフォンだとGoogle Pixelなどが採用しています。
Appleの独自規格
電圧 | 電流 | |
---|---|---|
iPhone付属のタイプ | 5V | 1A |
iPad付属のタイプ | 5V | 2.1A |
iPad4以降に付属のタイプ | 5V | 2.4A |
iPhone6以降の機器は、2.1A・2.4Aの規格に対応している。つまり、iPhone6以降にiPad用の充電器を使えば速くチャージされるということです。
Power IQ(Ankerなど)
Ankerなどの充電機器にみられる「Power IQ」は規格ではなく、自動的に機器に合わせた出力で充電する機構につけられた名称です。QC3.0やApple独自規格などに対応しています。

どうやって選べばいいの?
まず、Power IQは機器にあわせて電流・電圧を調整してくれるしくみなので、選んで間違いはありません。
また、いわゆる「20W」と「50W」どちらをえらべばいいの?という疑問に対しての答えは、「大は小を兼ねる」と考えて大きめのワッテージに対応した機器を買うのがいいでしょう。
ワッテージが不足している場合、例えばMacBookProに40W程度のパワーアダプターを使用しても、なかなかチャージされないという現象が起こります。
MacBookの裏面に、「20.2V 4.3A max」のような刻印があると思うが、これは20.2 x 4.3 = 86.86Wで給電できることを意味するので、40W程度のサプライではパワー不足だといえます。
ということで、まとめます。
- だいたいAnkerのPower IQはかしこいので、買っといて間違いない
- ワッテージ(W)は大きいに越したことはない。PCなど機器の最大給電能力をはるかに下回るアダプタを買うと、いつまでたっても充電されないことが起こる。
まじめに解説しました。またね!
(おまけ) USBの仕様一覧
規格 | 仕様発行日 | 電圧 | アンペア |
---|---|---|---|
USB 1.0 | 1996年1月 | 5V | USB Type-Cは1.5Aまたは3A |
USB 1.1 | 1998年9月 | 5V | 500 mA (USB Type-Cは1.5Aまたは3A) |
USB 2.0 | 2000年4月 | 5V | 500 mA (USB Type-Cは1.5Aまたは3A) |
USB 3.0 | 2008年11月 | 5V | 900 mA (USB Type-Cは1.5Aまたは3A) |
USB 3.1 | 2013年8月 | 5V | 1000 mA (USB Type-Cは1.5Aまたは3A) |
USB 3.2 | 2017年9月25日 | 5V | 1.5Aまたは3A |
USB4 | 2019年9月3日 | 5V | 1.5Aまたは3A |
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